公的年金【GPIF】!損失▲7兆9千億円!CIO年棒3000万

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る
年金

公的年金の積立金を運用している独立行政法人「年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)」は、ことし7月から9月の運用実績を発表しました。

これによると、市場運用分の赤字が7兆9090億円、収益率はマイナス5.79%と、四半期として過去3番目に低い水準になりました。

目 次
・GPIF7-9月期運用実績▲7兆8899億円
・リーマンショックが起きた2008年9月15日以降と比較
・マイナス運用の原因
・ポートフォリオ別の損益
・これまでの運用実績
・リスク資産割合が増加してから1期半
・目標値からの乖離許容幅も変更
・金融ストラテジストからのコメント
・市況は?
・今後のトレンドは?
・為替ヘッジ
・GPIF最高投資責任者はプロの投資アドバイザー
・GPIFの年棒
スポンサードリンク

GPIF7-9月期運用実績▲7兆8899億円

公的年金の積立金を運用している、GPIF=年金積立金管理運用独立行政法人は30日、ことし7月から9月の運用実績を発表しました。

それによりますと、株式や債券など積立金全体の運用収益は7兆8899億円の赤字で、収益率はマイナス5.59%でした。

  • 9末現在の、運用積立金残高は135兆1087億円になりました。
  • このうち、市場運用分の総額は131兆173億円で、7兆9090億円の赤字、収益率はマイナス5.79%となりました。

第1四半期残高:1,411,209億円
第2四半期損失:79,090億円(▲5.59%)
第2四半期末残:1,351,087億円

平成27年度第2四半期運用状況

平成27年度第2四半期運用状況(http://www.gpif.go.jp/)

 

リーマンショックが起きた2008年9月15日以降と比較

四半期ベースでみると、今回の赤字額はリーマン・ショックに伴う金融危機で生じた08年10―12月の▲5兆7398億円を上回る規模です。

リーマンショックがおきた2008年度(平成20年度)の収益は、▲9兆6,670億円でした。

しかも、第2四半期から第4四半期にかけての含み損の合計です。

これと比較しても、今回発表があった損失の規模が大きいことがわかります。

平成20年度運用状況

平成20年度運用状況(http://www.gpif.go.jp/)

 

マイナス運用の原因

  • 中国の人民元切り下げをきっかけとした8月以降の世界的な市場の混乱は、GPIFにとって資産構成の変更がほぼ一巡した局面と重なった。
  • 中国や新興国経済に対する不安の高まりが今年8月に世界的な株安を招き、国内外の株式運用が振るわなかった。
  • 6月末に比べ円高が進行したことで、外国株や外国債券の円換算での赤字拡大につながった。
  • リスク回避の局面で円建ての価格が低下しがちな内外株式と外債を増やしたことが収益のマイナス拡大につながった。

 

ポートフォリオ別の損益

  • 国内株式が▲4兆3154億円(利回:▲12.78%)
  • 外国株式が▲3兆6552億円(利回:▲10.97%)
  • 外国債券が▲2408億円(利回:▲1.26%)
  • 国内債券が3022億円(利回:0.60%)のプラス

運用見直しで比重を高めた3資産がいずれもマイナス運用でした。

 

これまでの運用実績

年金積み金の自主運用を始めた、2001年度(平成13年度)から、2014年度(平成26年度)末までの運用実績は、50兆7338億円です。

運用実績

運用実績(wiki)

これを、折れ線グラフにして、今期までの実績を反映したものが以下です。

運用実績H21-27

運用実績H21-27

つまり、今回のマイナスは、長期的にみれば運用実績を維持していることがわかります。

GPIFの三石博之審議役は同日の記者会見で、収益率について、

「GPIFが設立された06年度以降では年平均2.82%。長期的に見れば安定した収益を確保している」と説明。

 

リスク資産割合が増加してから1期半

2014年(平成26年)10月31日に、資産構成を大幅に変更することを発表しています。

  • 国内債:60% → 35% (38.95%「9月末」)
  • 日本株:12% → 25% (21.35%「〃」)
  • 外国債:11% → 15% (13.60%「〃」)
  • 外国株:12% → 25% (21.64%「〃」)

※保有比率の変更前後で、短期資産を含む・含まないで(95%→100%)合計があいません。

つまり、日本国債などの国内債保有比率を大幅に減少させて、国内外の株式などのリスク資産保有率を上げると宣言したのです。

2015年9月末時点の保有割合
資産構成割合

資産構成割合(年金積立金全体「2015.9月末」)

 

目標値からの乖離許容幅も変更

  • 国内債は上下10%ずつと従来の8%ずつから拡大。
  • 国内株も同9%ずつと従来の同6%ずつから拡大。
  • 外国資産に関しては、外国債が同4%ずつと従来の同5%ずつから縮小。
  • 外国株は同8%ずつと従来に比べ3ポイント拡大。
  • 国内債:35% (38.95%「9月末」):乖離+3.95%-(±8%→±10%)
  • 日本株:25% (21.35%「〃」):乖離▲3.65%-(±6%→±9%)
  • 外国債:15% (13.60%「〃」):乖離▲1.40%-(±5%→±4%)
  • 外国株:25% (21.64%「〃」):乖離▲3.36%-(±5%→±8%)

乖離許容が大きくなるということは、より大きな変動に対応できるようになります。

これをみると、国内債の変動幅が、今後は大きくなることを見越しているようにもみえます。

リーマンショックなら26兆2000億円の損失

(GPIF)が新たに決めた、株式を重視する資産構成割合をリーマン・ショックのあった2008年度の運用利回りに当てはめると、約26兆2千億円の赤字になるとの答弁書を閣議決定した。
実際は国債中心の運用だったので赤字額は約9兆3千億円だった。
「2015.01.09」

 

金融ストラテジストからのコメント

BNPパリバ証券の藤木智久チーフ債券ストラテジストは、

新たな資産構成では「今回のような市場の混乱時には収益が一時的にマイナスになるのは仕方がない。運用方針を変えることはないというのも既定路線だ」と指摘。「市場環境が収益を左右するインパクトは大きくなっているが、これまで収益が増えてきたし、足元でも株価は底値からだいぶ戻している」と話した。

三井住友信託銀行の瀬良礼子マーケット・ストラテジストは、

公的年金は将来の支払いという「償還期限が非常に長い負債を抱えており、四半期ごとに一喜一憂すべきではない」と指摘。短期的な成績悪化への批判は出るだろうが、国民的な「金融リテラシーの問題」なので、右往左往せずに信念を持って説明責任も果たしていくべきだと話した。

 

市況は?

  • 東証一部上場のほぼ全銘柄を対象にしたTOPIXは9月末までの3カ月で13.5%下げた後、10月以降は下げ幅をほぼ解消。
  • 外株指標の代表格であるMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスは9.9%下落した後、7%近く上昇。
  • 円の対ドル相場は8月に1ドル=118円台と年初来高値に迫ったが、足元では123円台に戻している。
  • 長期金利の指標となる新発10年物国債利回りは0.3%前後。
  • 06年以来の利上げが迫る米国債の10年物利回りは2.2%前後と安定的に推移している。
日経225チャート

日経225チャート

 

今後のトレンドは?

  • 日経平均が、今後2万円を抜けて、上昇し続けるかは、中国などの景況感などに左右されると思われます。
  • 中国の通貨「元」がSDRに採用されることも決まったので、一時的には中国が減速したとしても、長期的には元高/円安基調も考えられます。
  • 直近では、アメリカの利上げ観測が遠のいていないことからも、円安/ドル高傾向でポジションをとっていると思われます。
  • 日本の人口が減って行くことも、円安要因です。

但し、円安が、永久に株高の要因であり続けるかは不透明です。

また、現在の円安・株高は、日本の輸出が堅調に推移することを前提としていますので、人口の減少が安定して、日本特有の製品輸出(農産物・養殖など期待)が顕在し続けることが必須条件となります。

観光産業の門戸が開かれている現在は、これらも外貨獲得の手段になり得ます。

円安基調は続く

いっずれにせよ、しばらくは、円安基調は収まらないと考えるのが妥当のようです。

そうだとすれば、外国株を取得し、海外資産の割合を増やすことが懸命です。

  • 人口の生産人口比と、為替相場が影響しあうことを考えれば、国内の高齢化が続き、年金の支給額がピークを打って落ち着くまでは、円安が続くと考えられます。
    それが、現在の125円を上抜けてどこまでいくかはわかりませんが、アメリカの利上げを機に、125円の大台を抜けていくのではないでしょうか。
  • しかし、円安が進むことで、輸入製品の価格は上昇し、TPPで関税が段階的に安くなったとしても、国民生活や輸入原材料の高騰に悩む中小企業にとっては、よいことばかりとは言い切れません。
    ガソリンも値上がりするでしょうし、国内景況感が悪化するようであれば、円安基調に則って株高が続くとは言い切れない要素も顕在しています。

そういう意味では、日本株の保有率を増やしたことが、将来裏目に出ることもあり得るとおもいますが、借金で大変な国が、業績よく・資金の潤沢な企業の株をもつことで、バランスをとるということは、国全体として見た場合には、良策といえるでしょう。

だたし、企業格付けにも見られるように、企業格付けは国家よりも高くなることはありません、市場縮小の最大の原因は人口の減少です。

少子化の対策を国がもっと本腰を入れる必要があるのではないかと思います。

 

為替ヘッジ

Q.今年8月の世界株安に対し、「外貨建て資産の保全手段を取らなかったのか」との質問に

A.「これまでも検討し、いつでもかけられる状態だが、ヘッジの有無も含めコメントは控えたい」(三石博之・GPIF審議役)

為替ヘッジって具体的にどうするの?

為替ヘッジとは、私たち日本人が海外資産で運用する際に、為替変動リスクを回避(ヘッジ)する手段のことです。

為替ヘッジでは一般に「為替予約」という方法が用いられます。

これは海外資産に投資する段階で、将来の換金時における為替レートを同じ水準に確定することにより、運用から為替変動の影響を取り除く仕組みです。
ただし、為替予約では投資先の国と日本の金利差分だけ割高なレートで円を買い戻すすことになるため、結果としてその金利差分が為替ヘッジのコストとしてかかってきます。

例えば、、。

例えば、私たちが豪州(オーストラリア)の国債に投資して為替をヘッジしたと仮定してみましょう。

  • 2010年1月22日現在、為替レートは「1豪ドル=83円」です。
  • 為替予約の適用金利には、いわゆる短期金利(政策金利)が採用されます。
  • 政策金利は日本が0.1%、豪州が3.75%です。
  • 1年後に「1豪ドル=83円」で豪州国債を換金して円を買い戻す為替予約をおこなったと考えます。
    日本は金利がほぼ0%であり、1年後も当初の83円はそのままですが、豪州では金利が3.75%なので、当初の1豪ドルは1年後に1.0375豪ドルまで増える計算になります。
    つまり、1年後の換金時には「83円÷1.0375豪ドル=80円」しか戻ってこないことになり、3円分のコストがかかるわけです。
  • このように、為替ヘッジにあたっては基本的に2国間の短期金利差がコストとして生じるため、とくに海外の国債など安定資産に投資して為替ヘッジをおこなうと、結果として日本の国債に投資したのとほぼ同じ運用成果になるのが一般的です。
    現在、豪州10年国債の利回りはおおむね5%ですが、そこから日本と豪州の短期金利差に相当する3.65%を差し引くと、残るのは1.35%。これは日本の10年国債の利回りである1.34%とほぼ一致します。

 

GPIF最高投資責任者はプロの投資アドバイザー

最高投資責任者(CIO):水野弘道氏

水野弘道

水野弘道氏

  • 1965年生まれ
  • 大阪市立大学法学部を卒業後、住友信託銀行に入行
  • 米ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院で経営学修士号(MBA)を取得
  • 2003年2月にコラー・キャピタルのパートナーとなる
  • コラー・キャピタルでは、日本のアドバンテッジパートナーズ やインドのICICI銀行 とのVCなど10以上のファンドでアドバイザーを務めていた。
コラー・キャピタル
  • コラー社は、PE部門の運用資産が07年時点で45億ドルと世界最大。
  • 全米最大の公的年金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)も出資者の1つ。
  • 英・オランダ系ロイヤル・ダッチ・シェルと10億ドル規模の共同投資(JV)も手掛けた。
国内外での活躍
  • 内閣官房健康医療戦略参与
  • 国立大学法人評価委員 委員
  • 官民ファンドの活用推進に関する閣僚連絡幹事会 有識者委員
  • ひろしまイノベーション推進機構 顧問
  • (財)ジャパンギビング 顧問「日本最大の寄付サイト」
  • 大阪大学大学院 医学系研究科 招聘教授
  • 近畿大学 世界経済研究所 客員教授
  • 京都大学 iPS細胞研究所 アドバイザー
  • 京都大学産学連携本部 客員教授
  • テルアビブ大学大学院 客員教員

 

GPIFの年棒

  • 2015年1月の支払いから、理事長が受け取る年間報酬額は賞与や手当等を含め、改定前の約1894万円から64%増える約3100万円になる見通し。
  • 1月5日付で常勤理事と新設の最高投資責任者(CIO)に就任した水野弘道氏の受け取り報酬は約3000万円。

※GPIFがウェブサイトで公表した役職員の新たな給与規程によると、理事長の月給は1月から諸手当を除き168.6万円、理事(CIO)は同163.2万円となる。

※1日付の組織改正で高度な専門知識や経験を持つ人材を確保するため「運用専門職」を新設。諸手当を除いた月給の最高額は145.7万円となる見通し

ちなみに(2015.01)
  • 黒田東彦日銀総裁の今年度の役員給与は前年度比1.3%増の3467万円。
  • 全米最大の公的年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(カルパース)のアン・ストースボル最高経営責任者(CEO)は昨年6月までの1年間で、基本給とボーナスの合計が42万3679ドル(5000万円相当)だった。

【免責事項】記事中の市況判断や見通しなどの判断は管理人の私見を述べたもので、投資勧誘を目的とするものではなく、また将来の成果を示唆、または保証するものではありません。本情報の内容は予告なく変更される場合があります。
※本情報に基ずくいかなる損失も管理者はその責めを負いません。

OTARD-KEN

最後までお付き合いいただきましてありがとうございます。
『いいね』いただけるとありがたいです。?

 

    
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

コメントを残す

*